薪ストーブストーブメンテナンス方法 ご家庭で出来ること3つ!

薪ストーブ メンテナンス方法

薪ストーブのメンテナンスについて、家庭でもできること3種類を講習していただきました。屋根の上に登った煙突掃除や、熱で焼き付いたりサビたりして動かなくなったパーツはプロに頼らなくてはいけません。

でも、ストーブのメンテナンスはシーズンオフに必ず行わなくてはならないもの。できれば便利グッズも使って手軽に取り組みたいですね。

今回は、2022年6月18日に鳥取ストーブショールームで行われたメンテナンス講習会で行われた3つの点検方法についてレポートします。

煙突の掃除の方法

煙突の掃除は、中にタールや煤の詰まりがないか確認するためのもので最も重要なメンテナンスです。煙突に汚れが付くと、吸い上げ口が狭くなって燃焼の効率が悪くなるなどの弊害があるからです。必ず年1回チェックしてください。

まず、煙突とストーブ本体を繋いでいる金具をドライバーで外します。薪ストーブの煙突は、熱膨張を起こし破損するのを避けるため、上部と下部の2つのパーツがスライドするようになっています。そのため、パーツの上部分は壁からぶら下がっている状態です。壁と接する部分の煙突には、断熱も兼ねたアダプターが付いていますから、こちらもボルトをとりはずして、煙突全体を反時計回りにまわし全体を取り外しましょう。

専用の袋とブラシを使うとゴミが出ず便利

中にこびりついた汚れは、スチール製やポリプロピレン製のブラシを使ってこそげ落とします。プリプロプレン製のブラシは柔らかいので、軒を避けて屈折している屋外の煙突を掃除するときに役立ちます。

室内で煙突を掃除すると、どうしても煤が落ちて部屋が汚れてしまいますよね。そこで掃除のための専用グッズを使いましょう。

ストーブ専門店などで購入できる、煤受けのための袋です。袋の横に開いた穴からブラシの柄を通します。次にブラシ部分を取り付け、その状態で袋を煙突の入り口に被せます。もし手に入らなければ、市販のゴミ袋でも代用できます。

こうすることで、ブラシが掻き出した煤や汚れがみんな袋に入り、部屋がきれいに保てるのです。

ポイント

ストーブ本体と壁に、煙突を固定しているビスやアダプターがあるので取り外す

掃除用のブラシは、柔らかいものだと曲がったところが磨きやすく、硬いものだとしつこい汚れも落ちやすい

煤をこぼさないための専用の袋があると便利

煙突 メンテナンス方法

ガスケットの交換の方法

ガスケットとは、ストーブの窓に取り付けられているガラス繊維でできたロープ状の部品です。炉内の気密性を高め空気の量を調節するために用いられます。

ガスケットは使っているうちに固くなってしまい、ほうっておくとドアとの間に隙間ができます。

劣化の度合いをチェックするにはA4用紙の様な紙を使うとよくわかります。ドアに紙を挟んで扉を閉め、紙を引き抜いてみてください。ガスケットが柔軟であれば紙はしっかり挟まって簡単には抜けません。しかし、固くなってドアの間に凸凹の隙間ができていると、するりとぬけてしまうのです。

劣化したガスケットをそのままにして使い続けると、炉内に余分な空気が入り込み過剰燃焼を起こします。高温で燃やし続けたストーブは疲労が早くなり破損や事故の原因になるので、シーズンオフのチェックは必ず行ってください。

隙間を作らないためのセメントの扱い方

ガスケットは、シリコンシーラントまたはガスケットセメントという接着剤で固定します。ガスケット自体が極細の場合は、両面テープを使っても貼り付ける方法もあります。

古いガスケットをはずしたら、ドアに残っているセメントをスチールブラシで丁寧に剥ぎ取ってください。稀に、こびりついたセメントが固くなってどうしても取れないことがあります。その場合は、マイナスドライバーやタガネなどを使って削ってみましょう。どうしても無理なら、専門店に相談するといいですね。

セメントが残っているとドアとの間に隙間ができてしまいますから、きれいに取り除くことを意識してください。

次に新しいセメントをガスケットの溝に塗るのですが、セメントは水性なので少量の水で伸ばすときれいに塗りつけることができます。

セメントのつけすぎも隙間の凸凹を作る原因になりますから、マイナスドライバーのように溝の幅に合う工具を使って全体に薄く伸ばしていってください。

ガスケットの長さはストーブのメーカーによって異なります。購入した店舗に問い合わせれば、ぴったりなサイズのものを教えてくれます。新しいガスケットは、切り口が毛羽立っているので、マスキングテープなどを巻き付けて形を整えましょう。必ずドアの下から巻き始め、下部分で巻き終わるようにします。このとき、ねじって溝にはめ込むと隙間ができるので要注意です。貼り付けた新しいガスケットは、24時間ほど置いてドアと密着させます。

ポイント

古いセメントはしっかりと刮げ落とす

新しくセメントを塗るときは薄く伸ばす。着けすぎはNG

ガスケットをねじらない

ガスケット メンテナンス方法

窓ガラスの掃除の掃除の方法

窓ガラスは専用のクリーナーで掃除します。クリーナーには液状のものとクリーム状のものの2種類があります。クリームの中には研磨剤の粒子が入っているので、こびりつき汚れを落とすのに便利です。

掃除にはスチールたわしを使ってください。最近は、スポンジにスチール繊維が巻き付いた使いやすい形状のたわしもあります。好みのものを探してみてくださいね。

窓ガラス拭き用洗剤は使わないほうが良い

窓ガラス用の洗剤は、薪の煤汚れを落とす力がありません。なのであまり使わないことをおすすめします。また、水拭きもあまり効果的とはいえません。

窓ガラスの汚れは、熱で焼き付いている場合が多いのでやはり専用の研磨剤を使って磨き落としてください。

場合によっては、高温によって窓ガラスが白く変色してしまっていることもあります。変色を掃除で改善することはできません。使用するうえで問題はありませんが、中の様子がわかりにくいこと、まれに劣化が進んでヒビが入ることがあるかもしれないなどのデメリットがあるので、心配なら交換してください。

ポイント

専用クリーナーを使って掃除する

スチールたわしだと汚れを落としやすい

窓ガラス用洗剤はあまり効果がない

窓ガラス メンテナンス方法

ストーブ機種によってメンテナンスは異なります

今回の講習回では、バーモントキャスティングのアンコールを用いて行いました。ですが、ストーブの形状や燃焼方式によって掃除や部品交換の方法は様々に異なります。

煙突が真っ直ぐなのか婉曲しているのか、ガスケットの細さや長さは、ドアガラスをはずして掃除すべきなのかといったことですね。

場合によっては、個人の作業が危険なためプロにお願いしなくてはいけないかもしれません。

不安があれば、購入した店舗に相談しましょう。鳥取ストーブでもメンテナンスのお悩みを受け付けているので、お気軽に問い合わせてください。