ペレットストーブの仕組み別のメンテナンス方法を解説

ペレットストーブの仕組み別のメンテナンス方法を解説

ペレットストーブの機種別のメンテナンスの方法解説です。2022年現在日本国内で販売されている多くの機種は電気を用いています。例外的にラミノックスのパティオヒーターHotSpot13は電源を必要としていません。

また、最新機種には薪とペレットを両方燃やせるハイブリッド式のものもあります。それぞれに維持管理の方法がどう違ってくるのでしょうか。自分で出来る範囲の掃除や、業者さんにお願いしなくてはいけないことを中心に解説しましょう。

電気式ペレットストーブは定期的な部品交換が必要

ペレットストーブは電気を使う家電製品です。そのため、コンデンサーの着いている電子基板などは熱によって消耗してしまいます。一般的な家電は5年使ったら買い替えると言われていますよね。ですが、ペレットストーブは一度取り付けると撤去に手間がかかりますし、本体の燃焼室部分は丈夫につくられているため簡単に買い換えるのはもったいないのです。

そこで、こちらの記事でも書きましたが(メンテナンス記事のリンク)数年に一度の部品チェックと消耗品の交換を行ってください。そうすることで10年、20年と継続して使うことを目指せます。

無電源式はタンクや煙突内部の細かなゴミの除去に気を配る

ラミノックスのパティオヒーターHotSpot13は無電源式なので、排気のためのファンなどはついていません。どのように排気しているかというと、ストーブの下部分から取り込んだ空気をペレットが燃えてできる熱で暖めることで自然の上昇気流を作り出し、ストーブ上の煙突様部品から排出しているのです。

そのためこの部分には煤やタールが付着しやすくなっています。定期的に分解し、細かな灰の結晶(クリンカー)や残ってしまった可燃性物質を取り除かなくてはいけません。これを怠って使い続けていると、煙突部分で火災が起こり、バックドラフト(通常は起こり得ない下降気流)が発生してしまうからです。

また、燃料タンクの中のこったペレットのかけらや木の粉も逆火の危険を招きます。無電源ペレットストーブはタンク容量が大きく、使いきれなかったペレットをそのまま残してしまいがちになるかもしれません。できれば1回で使える量の燃料を計算してタンクに供給し、つかいおわったら未使用分は取り出して掃除をすることをおすすめします。

ハイブリッド式は電気部品と煙突の両方を定期点検

ハイブリッド式のペレットストーブは、アデュロのH1ハイブリッドなどが市販されています。こうした機種は薪を燃やす想定で設置されますから、薪ストーブと同じメンテナンスも必要になってきます。

薪ストーブのメンテナンス項目です

煙突の内部に煤が残っていないか、汚れていないか

煙突の煙が出ていく部分が残留物で塞がれていないか

ドアガラスに黒い煤がこびりついていないか拭き掃除をして点検

特に三つ目は、どのタイプの木質燃料ストーブにも共通して大切なことです。スムーズな燃焼が続いていればガラスには灰色っぽい明るい色の煤しかつきません。しかし、空気供給が足らない、温度が上がりきらないなどの状態で燃料を燃やすと、黒い煤がついてしまいます。

この黒い煤は不完全燃焼の目印ともいえるもので、できれば毎回鎮火冷却の後しっかりとガラスの拭き掃除を行ってください。. 加えて、ペレットストーブ同様に電子部品の定期検診も行い、安全に快適に部屋を温められるよう気を配りましょう。

まとめ・仕組みは違ってもメンテナンスの必要度は同じ

ペレットストーブの弱点として、高次の燃焼を起こすことが出来ず、灰や燃え残りが出てしまうことが上げられます。薪ストーブにはリーンバーン燃焼やフレックスバーン燃焼といって、薪を燃やして出た可燃ガスを何度も燃やし直し、完全にきれいな排気ガスにすることが出来るものもあります。ペレットストーブにはこのような機能が無いのです。

そのため残った灰は定期的に取り除かなくてはいけません。また、電子部品や回転するファンなど消耗品を定期的に交換する必要があります。無電源式ペレットストーブなら電子部品のメンテナンスはいりませんが、灰の始末は他モデルと同様に気をつけていただきたいと思います。

灰はお住まいの自治体によってゴミとしての回収方法が異なります。可燃ごみとして出していいのかを確認して、正しく廃棄することも大切です。