ペレットストーブメンテナンスの必要性。頻度と方法を解説

ペレットストーブメンテナンスの必要性。頻度と方法を解説

ペレットストーブはどうやってメンテナンスをすればいいの? 煙突や窯内部の掃除はしたほうがいいの? というかたのために、ペレットストーブの掃除やメンテナンスの方法について解説します。

薪ストーブとペレットストーブの最も大きな違いは、一部機種を除いてペレットストーブが家電製品に分類されることです。電気を使ってヒーターを加熱し、ペレットに着火するもの、タンクからペレットを押し出したり排気ファンを動かすために電力を必要とするものなどさまざまなモデルがあります。電子部品はどうしても消耗品なのでいつかは交換が必要になります。でも、適切な頻度で取り替えていけば耐用年数以上に使い続けることも出来るかもしれません。

そこで、掃除をする際のコツや頻度とともに、業者に行ってもらうべき部品の点検についても紹介しましょう。

 

家庭で定期的に行ってほしいメンテナンス

家庭で行うメンテナンスには、着火の度毎回行うものと、2、3週間おきに行うものがあります。それぞれ見ていきます。

 

毎回の掃除

燃焼ポットの中に残っている灰は必ずきれいにして、新しいペレットを燃やしましょう。ペレットストーブは多次元燃焼式ではないので、どうしても燃え残りの灰が出てしまいます。三次燃焼、四次燃焼が出来る薪ストーブと違う点はここですね。

その灰を残したままでどんどん燃焼を続けてしまうと、灰が燃えて決勝のように硬い塊であるクリンカーを作ってしまうのです。

 

クリンカーは燃焼ポットに着いている吸気口を塞ぎ、窯の中に充分な空気が入っていくのを邪魔します。そのままペレットを燃やしていると、一酸化炭素を発生させる危険があるのです。だから、燃焼ポットの中の灰は必ず次ストーブを使う前に捨ててください。

 

2、3週間おきに行う掃除

窯の内側に残っている細かい灰の除去を行います。熱交換器のパイプが着いている機種なら、パイプの隙間までスチールブラシなどで掻き出しましょう。

 

その他床部分に墜ちている燃えカスは、ホウキではきだすか専用の掃除機で吸いだしましょう。壁にこびりついた灰が塊になっていたら、同じくスチールブラシで擦ってきれいにします。

 

何年間おきにプロに点検してもらう場所

着火に関わるヒーター部分や排気のためのファン、電子基盤などは消耗品です。熱が加わることもあって、何十年も使い続けることはできません。

そこで、2~3年に一度、長くても5年以内には購入したメーカーに部品の交換を依頼してください。上手にメンテナンスし続けることで、一般的な家電製品の限界を越えて使用することが可能になります。

 

また、炉内の手が届かない場所にも灰の塊がこびりつくことがあります。同じく排気ダクトの中にもタールの塊が出来ているかもしれません。そのため、全体を分解し、消耗している部品は取り外して付け替える。凝固してしまった燃えカスをきれいに取り除く。ダクトも取り外し、中を水やブラシを使って洗い流す。こうした作業を購入した業者さんにお願いするといいでしょう。

 

メンテナンス抜きで使い続けると火事が起きる危険がある

メンテナンスを怠ることで最も危惧しなくてはいけないことが、逆火による火災の発生です。逆火とは、燃焼室内の炎が燃料タンクや排気ダクトに流れ込んでしまう現象を言います。通常のペレットストーブでは、ペレットタンクと燃焼室内が完全に遮断できる設計になっていて、熱も伝わらず火災が起きないように配慮されています。

しかし、ダクトやファンに煤がこびりついて排気が上手く行かなかったり、ダクトの中の煤に火が着いたりすると煙突火災やタンク内での引火を引き起こします。木質燃料を使ったストーブで火災が起こる場合、多くは煙突掃除などのメンテナンスを怠っているのが原因とされるほどです。

 

逆に言うと、適切なメンテナンスを続けていれば火災の不安を感じずに快適に暖房として使い続けることが出来ます。そのため日々の使用後の掃除、数年おきの部品交換のタイミングを忘れないでいることが重要なのです。

 

まとめ・ペレットストーブ掃除の際は鎮火、冷却後を確認

ペレットストーブには毎回の掃除が欠かせませんが、気をつけてほしいのが完全に鎮火していて、種火が残っていない状態を確認することです。ストーブ本体の電源を切って燃料の供給が止まっても、まだ炎は残っています。1時間程度掛けて燃えカスがなくなり、それから4~6時間ほどかけて本体がゆっくり冷却されていきます。火が残っていて熱がこもっている状態で掃除をすると火傷してしまう危険があり、火災の原因にもなってしまいますから、必ず6時間以上立って種火が完全に燃え落ちているのを確認し、掃除や点検を行ってください。