ペレットストーブの燃焼方式・空気の供給方法によって異なる機種

ペレットストーブの燃焼方式・空気の供給方法によって異なる機種について

ペレットストーブは薪ストーブと違い、本体内にペレットを貯蔵しておくタンクがあります。

電気で着火した後、少しずつ燃焼室にペレットを送り込み、火力を安定させます。

操作はリモコンやタッチパネルで行えるので、薪ストーブよりも手軽な印象を持っている方もいるのではないでしょうか?

木材を燃やすストーブとペレットストーブには、ストーブ本体にどんな違いがあるのでしょうか? 燃焼の仕組みも薪ストーブとは異なるのでしょうか?

今回の記事では、ペレットストーブの仕組みを紹介するとともに、どのような機種があるのかも合わせて解説します。

ペレットストーブの燃焼のしくみ

ペレットストーブの内部構造を解説しましょう。薪ストーブとどのような仕組みの違いがあるのでしょうか?

薪ストーブには、2次燃焼方式、3次燃焼方式、4次燃焼方式など様々なものがあります。

燃焼の次元が上がるにつれ、灰、煤、可燃ガスまでも消費されるので、薪ストーブは灰などのゴミや汚れがほとんど残りません。

対してペレットストーブは、ストーブの内部にペレットを貯蔵しておくタンクがあります。そこからモーターを使って適量のペレットをで燃焼室に運び、ファンで吸引した空気を使って燃料させるのです。

ペレットストーブは、ストーブの内部にペレットを貯蔵しておくタンクがあります

着火には電気が用いられ、薪ストーブほど炎を安定させるのが難しくないのがメリットといえます。

燃焼によって発生する可燃ガスや煤は排気ファンによって室外に排出され、燃えた後の灰は灰受けトレーの中に落ちるよう設計されていることが一般的です。

燃えたあとに出る灰の処理

燃え尽きたあとの灰の始末が面倒だと感じる人もいるのでは? ですが、灰にはいろいろと再利用の方法があります。

まず、冬場雪道で滑らないように融雪剤として家屋周辺にまくという使い方。雪の多い地域にはおすすめです。融雪剤としてだけでなく、滑り止めの効果も期待できます。

あるいは、ご家庭で栽培している花や野菜の肥料として活用するのもいいですね。

植物はアルカリ性の土壌を好みますから、カリウムを多く含む植物由来の灰は優良な肥料です。

もちろん、かき集めて可燃ごみとして出すこともできるので、こまめに手入れする習慣をつければさほど苦しい作業ではありませんよ。

ペレットの灰は燃焼効率のバロメーター

灰の状態はペレットストーブのコンディションを知るバロメーターにもなります。灰の処理をするときは、色や形状をよく観察してください。

例を挙げます。

  • さらさらして薄い灰色…高温で燃焼した結果。軽く集めやすいので始末も簡単
  • 灰が固まっている、黒い…燃焼室内の温度が上がりきっておらず、燃え方が弱い。

特に黒くて重い灰が残っているときは心配です。不完全燃焼を起こし一酸化炭素が発生したり、煙突に汚れが詰まってバックドラフトが起きてしまうかもしれません。

うまく燃焼しない原因として、

・ペレットとストーブの相性が悪い

・ペレットの品質がよくない

これらの原因が考えられます。灰の状態が改善しない場合は、ペレットのメーカーから変えてみるか、業者にメンテナンスを頼むのが良いでしょう。

ペレットストーブの機種は排気方式によって異なる

それでは、ペレットストーブの機種についての解説です。ペレットストーブは基本的に1次燃焼方法であり、先に紹介した薪ストーブのように、2次燃焼、3次燃焼の機種はまだ実用化されていません。

そこでペレットストーブの機種を選ぶ際には、排気方法の違いに注目します。

FE式

FE色は、「強制排気式」とも呼ばれます。ファンを使って室内の空気を強制的に燃焼室内に取り込む方式です。半密閉、吸気に関しては自然にまかせているのが特徴となっています。

室内の空気で着火を行うので、冬季に外気と内気の温度差が激しい寒冷地に向いています。

燃焼効率的も高く、2021年現在では海外製のものが多く流通しています。

ペレットストーブ燃焼方式 FE式

FF式

「強制的吸排気式」のペレットストーブです。燃焼のための空気と、排気ガスの放出をオートで行います。ガスファンヒーターとおなじ原理を採用したものですね。

燃焼室内は完全に密閉されているので、火事の心配が少ない安全な設計です。ですが、燃焼効率はやや悪いので、先に説明したようにペレットととの相性も考慮しなくてはいけません。

国産メーカーから販売されているものが多いので、相談しやすいことがメリットです。

ペレットストーブ燃焼方式FF式

CF式

薪ストーブと同じ吸排気方式のペレットストーブです。つまり、煙突を設けて上昇気流による自然吸気と排気を行う仕組みです。

燃焼効率もよく、一部の商品には薪と兼用できるものもあることがユニークなポイントですね。ですがそのために電気式着火ではない場合もあり、火を安定させるまでが少し難しいのがデメリットです。

キャンプの経験が豊富だったり、薪の機種を使ったことがある人なら使いこなせるかもしれません。

まとめ

ペレットストーブの仕組みと機種について解説しました。薪ストーブと違い、基本的に1次燃焼方式のため、

    • ・灰が残る
  • ・操作が簡単な分薪ストーブよりもメリットがあるが、機種と燃料の相性が悪いと不完全燃焼を起こすこともある

などの注意点もありましたね。

ペレットストーブの機種を選ぶときは、燃焼効率とペレットの品質を事前に確認しましょう。

安全に快適に使い続けるのに欠かせないポイントです。

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