薪についての基礎知識と薪割りの工程・考えられるトラブルについて解決策をご提案

薪ストーブの炎を見ていると気持ちが落ち着き、癒されるという方が多くいらっしゃいます。

自然の木で「薪」を作ってそれを焼べるのが薪ストーブの一番の醍醐味。炎は空気の調節や薪の組み方次第で色々な表情を見せてくれます。

薪を並べた画像

今日はそんな薪ストーブの燃料である「薪」についてQ &A方式でさらに深く学んでいきましょう。

「そもそも自分に薪づくりが出来るのだろうか」「薪ストーブを導入したいけどなんか色々心配」と踏み留まったり不安に思っている方に朗報です。

薪は周囲の了承があり、道具さえ正しく使いこなす事ができれば自分でも作ることができます。

今回は薪ストーブの性能を100%、いや120% 引き出す薪づくりの知識やいろはについてお話ししていきたいと思います。

早速はじめましょう!

Q1:薪用の木の伐採はいつするの?

A1:1年を通して一番木に含まれる水分(含水量)が少ない時期が11月、12月だと言われています。その時期に伐採するのがベストと言われています。

なぜ水分が少ない時期に伐採するかというと水分の多い時期に伐採してしまうとそれだけ乾燥させる期間が長くなるためです。また、乾燥させずに薪を焼べてしまうと煙突にヤニやタールがついてしまい、最悪の場合煙道火災を巻き起こしてしまうためです。そのため11月か12月に伐採するのがベストといえるでしょう。

Q2:薪に適している木はどんな木?

A2:薪に適している木は以前のブログでも書いたように水分量の少ない木が大前提ですがそれぞれの木に長所と短所があります。それではそれぞれご紹介していきたいと思います。

広葉樹(ナラ・クヌギ・サクラ・アカシア・クリ・ケヤキ等)

着火はしづらいのですが、火持ちがとても良く、特にナラ・クヌギだと薪を継ぎ足す必要がぐんと減ります。そのため灰が少ないのでお手入れが楽だという利点もあります。

針葉樹(スギ・ヒノキ・アカマツ・カラマツ等)

針葉樹は広葉樹とは逆で着火はしやすいのが利点ではありますが火持ちが悪く、多くのヤニが含まれているため煙突にヤニが溜まりやすく燃焼効率が落ちるだけでなく最悪の場合煙道火災にも繋がることもあります。針葉樹対応と明記されているストーブもたくさんありますので今一度確認してみてください。

針葉樹、広葉樹共にメリットやデメリットありますのでそれらを上手に組み合わせて使うのも一つの手ではないかと思います。

Q3:薪づくりの基本的な工程はどんなもの?

A3:薪づくりについて全4工程をお見せします。

工程1・・・樹木をチェーンソーなどで倒す(11月~12月頃)

薪づくり工程1

 

※チェーンソーを使う際は周囲の安全に配慮した上で怪我のないように使用をお願いします。

 

工程2・・・切り倒した木のままでは大きすぎて薪割りができないので、枝を切りストーブに合うようなサイズで適度な大きさに切り出します。この短い丸太にして切り出すことを 『玉切り』と呼びます。この時もチェーンソー輪使うのが一般的ですが安全に作業を行いたい方やチェーンソーをお持ちでない方は時間はかかりますがノコギリで切るのも良いでしょう。

薪づくり工程2

この玉切り作業をする際にストーブに入る大きさに切っておかないと、再び自宅で短く切る工程が増えてしまいます。ですのであらかじめストーブに入れることのできる薪の大きさを確認してから玉切り作業をしましょう。

 

工程3・・・玉切りした丸太を縦に割って薪を作る

薪づくり工程3

この薪割り作業にも少しコツが要ります。

斧を使って薪割りする際に右足か左足を前に出して薪を割る方がいますがこれは斧が空ぶってしまった際に足に当たる危険があるため非常に危険です。薪割りする際は足を揃えて少々ガニ股で踏ん張って薪割りをするのが安全です。

 

工程4・・・縦切りにした丸太を乾燥させる(6ヶ月~1年程度)

薪づくり工程4

最初にも書いたように切り倒した樹木には必ず水分を含んでいます。

この水分を含んだまま薪ストーブを焚くと必ず煤(すす)が発生します。

この煤が煙突内にこびりつき火災を誘発してしまいますので完成した薪はしっかり含水量が20%以下になるまで(約半年〜1年)は乾燥させましょうね。

Q4:薪を管理する際に気をつける事は

A4:薪を管理する際は室内ではなく風通しが良く日も当たる倉庫や納屋などに保管しましょう。

これはよくあるケースですが室内に薪を保管していたらキクイムシなどが大量発生してしまったケースがあります。

そうなると床、柱、壁などをボロボロにされてしまう事もあるようですのでなるべく外の風通しも良く日当たりも良い屋根のついている倉庫や納屋などに保管しましょう。

このブログを見てくださっている皆さんお気をつけください。

 

Q5:薪を燃料として使う時の大まかな使用量は?

A5:1日中(夜中など寝ている時間を除く)薪を焼べる場合は20〜30kg、

ひと月に換算すると600〜900kg、ワンシーズンで3.6〜5.4tという計算になります。

そのためかなり多めに薪をストックしておく必要があるかと思います。

薪割りまでの工程は大変ですがワンシーズンにたくさん蓄えておくと使う際に楽なので無理のない程度に薪を蓄えておくようにしましょう。

 

Q6:煙突の煙や騒音などご近所トラブルが心配

A6:まず薪ストーブを設置したが故に考えられるトラブルは2つあります。

1つが煙突から出る煙のトラブル

これも以前のブログでも書きましたが薪ストーブを設置する以前の問題で、事前にご近所の方に了承を得る必要があるのではないかと思います。導入を考えているみなさんはご近所さんに事前に了承を得てから設置するようにしましょう。

2つ目はチェーンソーや薪割りでの音のトラブル

自宅の近くに山があるご家庭などは特にそうですが、チェーンソーの音は身近なもので言うと原付バイクの音に近いと言われています。これは自宅周辺では薪割りや木の伐採を控える必要があります。

そうは言ってもどうしても自宅近くで気を切ったりする場合があると思います。その場合は事前にご近所さんに声かけをしたりお昼などの人が動いている時間を活用して木を切ったり薪割りをすることをお勧めします。

 

薪ストーブを検討されている方の中には薪を購入される方もいらっしゃると思います。

その場合には以下の事に注意して購入しましょう。

 

①乾燥した薪なのかどうか確認しよう!!

未乾燥の場合には家のベランダ(屋根のある場所)で風通しの良いかつ日のあたる場所に置いておくと早く乾燥させることができます(少なくとも半年は置いておく)

 

②サイズ(長さ)を確認しよう!!

サイズは長いものだと50センチの薪が入るストーブから短いものだと30センチの薪が入るストーブもあります。購入予定、もしくはご愛用されている薪ストーブの容量を一度確認してから薪を購入されることをお勧めします。

③送料をしっかりチェックしておこう!!

薪を買うと送料を取るところがほとんどです。

ここで気を付けなくてはいけないのが送料がいくらなのか!?ということがポイントになってくるということです。

薪はかなり重量があることから送料が高くなってしまいがちです。1度にたくさん買って送料を抑えるというのも1つの手段です。近くの薪ストーブを扱うお店でも購入できるかもしれません。弊社でも薪の販売を行なっておりますのでぜひお買い求めください。

薪を購入される際は送料なども確認するようにしましょう。

いかがでしたでしょうか?

薪ストーブの燃料である『薪』について少しでも勉強になりましたか?

これは豆知識ですが2009年に発表された東北大学の研究によると、薪ストーブ1台を使うことで、ハイブリッド車5台分、太陽光発電パネル36畳分のCO2削減ができるそうです。

一つの薪を作るのは大変な作業かもしれませんが、火を焼べた時に見える炎の様子やパチパチという音は幻想的で川のせせらぎや鳥の鳴き声、風の音、木漏れ日が煌めく姿など人は「1/fゆらぎ」の中にいると癒し効果もあるようです。

薪ストーブを通して忙しい日常生活の中に、ほんの少しだけ心を落ち着かせる時間を作って行きたいですね。